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ワインのお仕事をさせていただいてから、おなじインポーターさんが主催する試飲会には何度となく参加させていただいてきましたが、今日お招きいただいたヴァンパッションさんの試飲のようなスタイルは今回が初めて。
お話をいただいた時、これは行かねばバチが当たる、
ということで今日は子店はおばあちゃんとおうちでお留守番で、フナヨ一人で愛宕の試飲会に出かけてまいりました。
ヴァンパッションさんの主催する今回の試飲会、メインはチリの誇る名門ワイナリー、エラスリスです。
エラスリスはまさにチリの誇る名門一族で、大統領をその一族から5人も輩出してきたという、まさに文字通りのセレブ一族ですが、その当主エドワルド・チャドウィックさん自らががホストをつとめる試飲会ですから、テンションがあがりまくります。
テンションがあがった理由はもうひとつ。
今回はエラスリスだけではなく、エラスリスと比較して世界のまさにトップワイナリーをブラインドで比較試飲し採点するという、パリテイスティング(ベルリン、ニューヨークなどもあります)形式を採用するということ!
まさにこの名だたるプレミアムワインのブラインドテイスティングの採点に自分も参加できるという、まさにありえない企画なのであります。
(注:ベルリンやニューヨークなどの比較テイスティングの時は15アイテムくらいで比較したそうですが、今回の東京テイスティングは6アイテムを同じ嗜好で行うミニテイスティングの位置づけ)
ブラインドテイスティング(ワインの情報を一切なしにテイスティングすること)はテイスティングすることによって得られるものって多いし、なんといっても純粋なワインの評価なので、私はとても好きなのですが
学校にでも行ってない限り(もしくはワインやさんのイベントでもないかぎり)ブラインドテイスティングって準備も必要なのでなかなかできる機会がないもので、あっても、並のクラスのワインでなら、ってかんじですが、こんな超プレミアムワインばっかりでブラインドなんて、本当に贅沢な機会です。(ヴァンパッションさんありがとうございます。涙)
エドワルド・チャドウィックさんがこの世紀のブラインドテイスティングをコンスタントに世界各地で開催するようになったのは、チリのワインが世界のワインのレベルに達しているということをどうやったら認めてもらえるか、もしくはレベルに達していないのであればそれを真摯に受け止めたい、ということで始めたのだそう。
毎年?色々なところで同じ趣旨で色々な国、いろいろな場所で開催しているので常にエラスリスがトップであるわけではないけれども、常にエラスリスのワインが世界にどう受け止められるかを知りたいのだそうです。
のべ2時間くらいのテイスティングで最初の1時間くらいエラスリスの説明をドン・チャドウィックがされまして、その後6種類のワインが厳かに登場。
(エラスリスについてはすでにユヤイで紹介しているとおりなのでブログではカツアイ)
そしてヴァンパッションの社長 川上さんの
「優劣じゃなくて良いと思うかどうかで点数をつけてください それからどれがどのワインか推理してみてください」という開始の音頭でテイスティングはじめ。
なんと時間はたったの10分!!
で ここからブラインドテイスティングがはじまったわけですが
今回提供される6つの銘柄は以下の通り 当然どのグラスにどれかはわからない状態
○ Errazuriz Vinedo Chadowick2007 エラスリス チャドウィック07 (チリ マイポ カベルネ100%) 参考小売価格 20000円
○ Errazuriz Kai2007 エラスリス カイ (チリ アコンカグア カルメネール86/ プチベルド7/ シラー7) 参考小売価格 9800円
○ Errazuriz Don Mazimiano Founder's Reserve 2006 エラスリス ドンマキシミアーノ (チリ アコンカグア カベルネ87/カベルネフラン/8/プチベルド5) 参考小売価格 8500円
○ Chateau Mouton Rothchild 2007 シャトー ムートン(フランス ボルドーポイヤック カベルネ77/メルロ11/カベルネフラン10/プチベルド2) 参考小売価格 3-60000円
○ Opus One 2006 オーパスワン(アメリカ カリフォルニア カベルネ77/メルロ12/カベルネフラン5/プチベルド3/マルベック3) 参考小売価格 2-30000円
○ Sassicaia 2007 サッシカイア(イタリア トスカーナ カベルネ85/カベルネフラン15) 参考小売価格 12000-20000円
今回やはりチリワイン屋としてはチリワインは当てていかなきゃいかないんじゃないか、とマジ推理してみました。
結果はさておき、ちょっと面白かったので 記録に残しておきます。
フナヨ ブラインド思考メモ
1番 明るめの赤 香り コーヒー、チョコ、モカ、バニラなどなど樽、ちょっと熟成香かんじる 酸ははっきり タンニン柔らかくて複雑 6つの中で一番飲み頃に近い?
2番 色濃い赤 香りちょっと閉じ気味>ジャム 口当たり酸弱め 丸み タンニンワイルドでこおばしい 暖かい地方 少し甘い 今飲んでも華やか 6つの中で一番わかりやすい?
3番 明るい赤 香り閉じ気味>鉛筆 スパイス(白緑?)あんまり嗅いだことない香り 酸レベルちょうどいい 柔らかいタンニン湿っている 口当たり暖かい 複雑 6つの中で一番クロウト受け?
4番 深い紫目の赤 最初に緑のニュアンス、そこからスパイシートーン 酸はっきり タンニン柔らかく エレガント
5番 明るい赤 かいだことのない香り 若干ベジー?種類が違う香り 味わいが酸を中心にまとまっている 6つのうちのどれとも他と全く違う
6番 紫っぽい赤 香り完全に閉じている 味わい 深く濃い もう少し後でゆっくり飲みたい 6つの中で一番全く閉じている
というかんじでした。
ここから、
4番が カイ (なぜならスパイシーな香りがあって、タンニンがシルキーで柔らかい印象というカルメネールの特徴的を持つワインはこれしかなかったから)
5番が サッシカイア (なぜなら際立って酸っぱかったし、他のと全くちがったから 笑)
6番が チャドウィック (なぜなら完全に閉じていたので、カベルネ100%はこれしかないと思ったから)
上記3つを推理しました。ここまでは結構すぐに決まりました。
問題は残りの、1/2/3ですが、最初色目で2/4/6番が濃かったので最初から2がチリっぽいなと思っていました。
1番が、1番なんというかパッとしてたというか、華やかでこれはオーパスかムートンだと思いました。なぜならチリっぽくない垢抜けた感じがしたから 笑
メルローが入っている感じがしました。
2番が1/2/3の中では一番ワイルドでこおばしい感じで、若干口あたりが甘いかんじで日光当たってますよってかんじで、まーこれがドンマックスさんかな、アコンカグアってこんな感じ?と思いました。
(マイポではない感じだったので)
3番は第一印象が閉じた感じで地味だったんですけど、だんだん複雑に感じられてきて、特に口に入れた後のボリューム感というか複雑さや柔らかさというかが際立っていて、果実味がぎゅうっとしていて、なんといいますか途中からあれ?この人は実はものすごいワインじゃないですかもしかして?あなたがムートンさんですか?(数回しか合ったことがない見知らぬ人)と思いました。
今から思うと、ムートンさんて派手で有名な人だったみたいで、そうすると3番はムートンさんではない、ということになりますが。笑
で、最終的な私の予想は
1.既に飲み頃?のオーパスさん
2.日光当たってるドンマックスさん
3.まだ閉じてる?ムートンさん
4.エレガントなカルメネールでしょ?カイさん
5.酸っぱいでしょサッシカイアさん
6.まだ開く気ないでしょチャドウィックさん
で、回答とブラインドテイスティングによる今回の採点の集計結果は次の通り
1.ムートンさん 134点 2位 (フナヨランキング1位)
2.オーパスさん 144点 ☆1位 (フナヨランキング5位)
3.ドンマックスさん 131点 3位 (フナヨランキング3位)
4.カイさん 144点 ☆1位 (フナヨランキング2位)
5.サッシカイアさん 103点 5位 (フナヨランキング4位)
6.チャドウィックさん 121点 4位 (フナヨランキング外 *まだもったいないのでもうちょっとしてから飲みたい度1位 今無理やりランキングに入れるなら2位)
というわけでで 4/5/6の3問だけ正解でした。がくり。
1/2/3は間違えたのですが、要は ドンマックスさんがフナヨのが想像をはるかに超えたワインだったということなんで。笑
答え合わせの前の名だたるテイスターの方のコメントでも皆さん3,4番を絶賛していました。4番はみんなカルメネールKAIだってわかって褒めているのだと思いましたけど、3番はドンマックスだと思って絶賛されていたのでしょうか。あたし半分くらいの方が2番(本当はオーパス)がドンマックスだと思っていたのじゃないかと思いますが。
いずれにしても1/2/3は取り違えた人が結構いたと思います。その証拠に?1番がムートンって発表された時、会場で
「えーー!!!??」って声が上がりましたから。笑
3本のエラスリスを並べてみるとわかるのは、エラスリスは本当に生真面目でパッとみ 地味に始まってだんだんと味わいが深く沈みこんでいくみたいな感じと言うのでしょうか。
ボリュームが横に広がるんじゃなくて 縦に伸びていくみたいな感じ、と言えばいいんでしょうか。
こうやって書いてみると、やっぱし。エドワルド・チャドウィックさんのセレブだけどほのぼのとして芯のある感じってワインに出ているなーってかんじしますね。
世界の銅の生産量1/3を所有していたこともある正真正銘の超セレブファミリーの総帥なのに、自分の時間の80%をワイン作りに費やして、若いころにはエルミタージュに修行に行ってワイン醸造の勉強に行って樽転がしたりしてたそうですから、ある意味かなりクレイジーな情熱とパッションと気骨のある男性といいますか。
そして細くて背が高くてイケ面なのに骨がある。
うーーーーーーーーん。
さぞやモテたでしょうねえ。。。(あ、ワインと関係ないことで終わってしまった)
seiseiten. SORI Yuuki and TATE Asako, Two-person Exhibition.
「萋萋」とは、草木の生い茂る様のこと。若き二人の画家による萋萋展は、今回で4回目。描かれるのは、季節によって表情を変える植物の愛らしさや美しい空気感。屏風作品なども含め、日本画の新しい可能性を試みる。