18 November 歴史的な合意 前回ブログを更新してから、あまりにも時の流れが速すぎて、追っかけるのがいっぱいいっぱいであっという間に2週間?たってしまったのですが。10月18日に始まった一連の抗議活動の一つの結果として、先の15日に歴史的な社会の平和に向ける合意と、新しい憲法に向けた合意を取り付けたチリ。それに至るまで与党の右派がなかなかうんと言わなかったりとか、あやうくもう一度緊急事態宣言をだしそうになったところを、寸止めして危機を回避するとか、(私は新しいブルメル内務大臣がなかなか期待のできるやり手なんじゃないかと思っており応援中)ギリギリのところをなんとかようやく合意に取り付けた、という感じに見えます。新しいチリを求める民衆の抗議活動が、ひとまず落ち着くことを期待する人も多いと思いますが、、、そんなに事はシンプルではない気がしており。この、新憲法に向けた合意と、それから別の観点から今のチリを断片的に見た予想を書いてみます。1.デモで抗議活動をしている人達新憲法に向けた合意が決まったので、憲法について学ぼうという熱意が盛り上がっている。先日もテレビで、今2番目に売れている本が憲法で、主に学生さんが買っている、ということだった。街の公園などで、井戸端会議、ならぬ井戸端議会を作り、集まった人たちで憲法やチリの未来について話し合う、というような活動も起こり始めた。こういうチリ人の姿勢には頭が下がる。ただし、憲法に向けた合意にはまだ不明瞭な点もあるため、4月の国民投票までは多かれ少なかれのデモは続くと思われる。一方で、警察の人権侵害による、失明、暴行、虐待、失踪も相次ぎ、警察上部もオフィサーがそれを容認するようなコメントをしたりしているため、それに対しての抗議はまだまだ続くと思われる。2.国民投票憲法改正までのロードマップが提示され、その最初の四月の国民投票の内容は、 あ、 憲法改正は必要か い、 憲法制定委員の内容 半数を議員、残り半分を民間 とするか、すべて民間とするかというようなものらしい。ちなみに、憲法の一つ一つの内容をこの憲法制定委員の三分の二が承認しなければいけないため、この委員の選定が、憲法の内容をほぼ決めると言っても過言ではなく。特に、憲法の改正で一番大きな目玉の、国の天然資源である水、銅、リチウムなどの資源に関する憲法を改正するためには、この委員の選定が最重要課題。チリはチリの持ち主と呼ばれる財閥があり、現在の与党議員はピニェラをはじめこの財閥の息のかかっている人もいるため、この議員の数の如何によっては、新憲法が骨抜きになってしまうため。というか、ピニェラもその一人。(Luksic, Paulmann, Saieh, Matte, Piñera, Angelini)この新憲法の制定、産みの苦しみはまだまだこれからと思うけれど、チリならできると思う。がんばれチリ!3.破壊行為先日地下鉄の破壊行為を行っていたグループの一人が逮捕されたのだけど、それが本当に16歳とかの本当にまだ子供で、インスタグラムかなんかに乗っていた写真を見て、母親が、「これうちの子!」ってわかって逮捕されたという話だった。エンカプチャドという、覆面をして破壊行為している若者のリーダーっていう人のインタビューも見たけど、「俺たちグループって言われてるけど、全然、自然に集まってるだけだし」みたいな話だった。彼らはある程度軟化してくるとは思うけど、まだ一進一退かなと思う。それからどうも明らかに抗議行動とは全く関係のない、悪のり的な、子供のいたずら的なチラシが撒かれたりもしている。さらに、「とおりたければ踊れ」、という、これも抗議デモではなくただの嫌がらせ行為みたいなものだけどが、発生している。残念ながらこれらの、嫌がらせ行為は結局は抗議デモではなく、警察の弱体化に付け入っている行為で、警察不在に付け入った犯罪行為全般が落ち着かないと、続く可能性があると思う。4.サケオ、泥棒する人先日ニュースで、火事場泥棒で逮捕された人の75%が前科のある人だったという報道があった。やっぱりいかに火事場とはいえ普通の人がいきなり泥棒になるわけではないのだと納得。サンチアゴの外堀には、ずっと貧困地帯でドラック問題が指摘されているコムナがいくつかあるのだけど、そこから来ているナナさん(ママ友の家勤務)の話では、そのコムナにはグループでトラックで火事場泥棒に行くような軍団がいくつもあって、実弾装備の銃を持っているので、そのコムナの住人も怖くて息をひそめている、ということだった。このサケオすら抗議活動のせいだという人もいるけれども、そうなんだろうか。そもそも彼らは最貧困層の、ドラッグアディクトだらけの土地で、政治にも右にも左にも忘れられていたけれど、ここにきてチャンス到来とばかりに火事場泥棒をしているのである。今回のことで考えなければいけないことは、これほど多くの前科を持っている人がさほど遠くないコムナに住んでいて、彼らには出口がないということは、常になんらかのリスクを社会全体が負っているということだと思う。5.新体操と学校新体操は平常開催。大会が12月に全部延期になったため12月のスケジュールが超過密。毎日練習が普通にあるのだけど、子供が「今日はいけません、グレシアでデモがあって通れないから」などと、デモがないのに練習に行かない言い訳としてデモを使うケースが多発していて、さすがだなと感心する。学校も平常運転。年末の行事が多少端折られた部分はあるものの、学校も今のチリの状況をみんなで考える、民主主義を考えるプロジェクトを平行して色々工夫してくれている様子。先日の年末遠足では、親同士で集まって、憲法制定会議の話や、チリの問題点や今後の国民投票の話など色々話をしていた。娘の学校には人権省(なんていうのだろう MINISTERIO DE JUSTICIA Y DERECHO HUMANO)で働いている社会学者のママがいたり、が大学教授のママも多いので、色々質問しまくってみたけれど、いかにせんこちらのスぺ語がいまいちなのが残念だった。この一か月で、今まで聞いたことのないような法律用語ばかり聞いているので、本当に頭が疲れてしまっており。国民投票(pleboscito)って言ってるのに、トマトの辛いソース(pebre)?って言い返されたり。それでもやっぱり、ほとんどのチリ人ママが、こんなことが起きるとは思わなかったピノチェの時代のは自分はまだ子供だったし落ち着いた後だったから話に聞いていたけれど、こんなに多くの実際に警察に暴行を受けたという事例が動画付きでこんなに見せられるとは思わなかったし、本当にショックだ。でもチリは絶対に変わる、と希望を持っていた。6.和多屋通常運転。ただし、粉の入手が非常に困難になりつつあります。なんでだろう。。。そんなことで、今日のところはこの辺で。 [2回]PR