03 June 盗難 南米の他の国に比べればおそらくものすごく安全だと思われるチリでも、それなりに色々ないことはないというか、特に盗難事故というのは多い。今までこちらに来てから、実際に自分達が被害を受けたことがあるのは2回とちょっとで、1回目はカードのスキミングで、これはいつどうやってスキミングされたのかはわからないけど、しらないうちにアルゼンチンでガンガン買い物をされていて、うちの場合はカードの保険に入っていたので、実質の被害は0だったけれども、そうでなければ100万円以上の損害だった。 2回目は、車にワインの箱を40箱も乗せたまま獣医に猫を連れて行った結果、猫の注射を終えて出てきたらドアを壊されて全部ワインの箱が消えていた事件。とちょっと、のちょっと分は路駐をしていて車のエンブレムが取られることしばしば。これはもう諦めていて、最初のころは新しいのを買ってまた取り付けていたけど、最近ではつけてないので、今ではそれっきりである。それ以外にも、私の非常に小さな生活圏の中でもちょいちょい窃盗の話は耳にする。家に泥棒が入った人、テニスをしてたら車がなくなった人、歩いていたら襲われて荷物を取られた人、バスに乗ってたらネックレスを引きちぎられた人、路駐してたらベビーシートを盗まれた人、ああそれから、マンションの管理費の積み立て分を管理人に持ち逃げされた人というのもいる。そういう事件が最近身近で結構起きていた矢先、先日朝学校に娘を送りに行こうとしていたら、駐車場の門が変な形に曲がっておりよく見たら内側から外側に向かってボキっとへし折られていた。駐車場の門は通常引き戸式に右から左にスライドで開くはずなのに、観音開きのように前に向かって開いていたので、なんだかものすごい違和感だった。とにかく開いたまま閉まらない状態になっていたので、マンションの管理人に聞いてみたところ、この辺で有名な車泥棒が侵入して車を持ち出そうとしていたところ、内側からの門の開け方が分からず、駐車場の入口で止まっていたらしい。それを見た管理人がおかしいと思って見に行くと、あせって門を開けようと車を追突したんだそうだ。結局泥棒は走って逃走し、へし折られた門と車があとに残ったということのようだった。どうでもいいけど、盗まれたならいざ知らず、こんな風に追突されてもたぶん保険もでなかろう。そう思うとオーナーが哀れでならない。きっとそれなりにいい車だったんだろう。その一件があってから、一週間もたたないうちにもともとうちは3棟が一つの敷地の中にあるマンションだったのだけど、その棟ごとにもセキュリティコードがないと入れないシステムに工事された。(駐車場にも入れなくするつもりらしい)要は、門番のいるメインゲートを泥棒が入居者のような顔で入ってきても、そこでチェックしきれないと管理人が認めたってことになるわけだけれども、それにしてもチリ人のわりに素早い対応でびっくりした。よっぽど管理人達の面目をつぶしたのだろう。安全性が高まるのはとてもいいことなのだけれど、最近やっと娘が一人で中庭まで遊びに出ていって帰ってこれるようになったのに、これでまた一人では遊びに行けない状態に戻ってしまった。うちから出る時もボタンを押さないといけないし、外からはナンバーキーを押さないと入れないし、そもそもボタンに手が届かないのである。安全第一は絶対なのだけれど。それでも少し残念な母なのだった。 [1回]PR