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10 September

ヒトマエに出る人 出ない人

わたしは生来声が大きく態度も大きかったので、子供のころからヒトマエに出ても全く緊張しないような図太い神経の持ち主だ、と思われることがとても多かったのだけど

実はヒトマエに出ると胃袋が口から飛び出てしまうのではないか、と思われるほどの極度のヒトマエ嫌いで、親にも呆れられるほど、その件に関しては才能が無かった。

父親は一時は歌手を目指したなどいうほどで、弟に至ってはバンドでギターを弾きながら歌うなど、人に見られることが大好きな血筋で
これは母に似たのだろうと思いきや、最近は母まで詩吟を初めて舞台で歌っているなどというので、ここにきて私のこのヒトマエ恐怖症が一体どこから出てきたのか、本当に謎は深まるばかり。

大体私を知る人には、えーそんな風に見えない、全然見えない、と言われるのだけれども、

でも、子供のころからピアノの発表会ともなれば頭に血が上って全部忘れてしまい、途中から別の曲になったこととか、スポーツの試合になればいつも十分の一も実力が発揮できず、自分のミスの為にチーム全体が負けてしまうことだとか(でも練習には真面目に出るので試合には出されてしまうのだった)、そんな逸話は数々あり。
大人になっても教育実習先で、中学生に「先生がんばれ!」と応援されたことすら。。。

実際大学生のころ、自分でも色々とこれは損をしていると感じた時があって、就職の面接とか、プレゼンとかわからないけど、なんか必要なこともあるしということで、意を決してわざわざバスガイドのバイトに行ってみたこともあった。
なぜバスガイドなのかと言えば、もう否応なしに毎日人の前で話すという仕事をすれば、少しは慣れるかと思ったからなのであるが、そんな人知れぬ努力のかいもあって、まあお酒をちょっと飲めばカラオケが歌える程度には改善したのだった。(でもステージとかは無理)


そんな私から見ると、旦那のヒトマエスキルの高さは異常だと思う。
なにしろ、練習より本番が3倍くらい良くなるタイプ。試合で180%力を出せる人。
プレゼンとか、面接が負け知らずという奇跡の御仁である。たまに40-100人くらいのビジネスマンを前にプレゼンとか、私だったら朝から3回は気絶してる、というレベルのことでも、練習もなしに、メモもなしに臨む。
そして、あんたいつの間にそんなこと覚えたの?ということでも平気で話している。
心臓に毛が生えてる。よもや同じ人間とは到底思えない。
わたしが、大学の授業のプレゼンを3日がかりで寝る間も惜しんで準備していったのに、ヒトマエに立った時点で全てを忘れているのとでは雲泥の差である。そもそも準備すらしてやしないのだ。

そういうわけで、二人で仕事をし始めた時、ヒトマエにでるのは彼、私は裏ということで全くもって異議なしだった。

ただ、ここにきて娘がどちらの血を引いているのか、ということが気になり始めた。

そして、周りの子供が「アナユキ」のエルサの物まねをして豪快に踊って見せる様とか、ダンス教室ごっこで踊りまくっている様子を、モジモジしながら見ている我が子をみて

あいたたた、これはあたしの方に似てしまったかもしれないぞ

といやーな予感がし始めた。

確かに、ヒトマエに出るのが苦手な子はいる。でも自分がそうだから特にそう思うけど、これ、絶対出るのが得意なほうが人生楽に決まっているのである。
いざという時に緊張なく自分の力を全て出せるか出せないか、でどれくらい違ってくるか。自分に自信がつくか。人生が楽しくなるか。天と地の差だと思う。
もちろん裏方が好きな人だって大切だと思うけど、前に出れるけど裏にいる人と、裏にしか入れない人とではそもそも余裕というかメンタリティが全然違う。

それでなくても、チリは子供のころからプレゼンがやたらに多い。ヒトマエで何かできなければ、何もしてないのと同じ、というくらい、何か会があれば全員参加で発言するのが普通。
ヒトマエで発言するのが苦手、なんて言ってたらいないのと同じなのである。

それで、習い事を探している時に、ヒトマエに出ることに慣れさせる意味で新体操に入れてみた。そもそも運動が大好きで、体を動かすのが大好きだし、かといってバレエのようにカワイイを全面に押し出すことが恥ずかしいと感じている娘にとって、
筋トレの先に演技がある、ような体育会系の感じがいいんじゃないかなと思ったからだ。

そして今年の春から始めた新体操だったのだけど、この間8月に大会があって、幼稚園児チームも8人で一つの演技を披露する、ということになった。
演技と言っても内容はたいしたものではないけれども、でもヒトマエで演技をすることには変わりない。

300人以上もお客さん(というか父兄)が見ている中で、娘がどうなるのか、母としては本当に心配で、あまりに緊張しすぎて写真も録画もできずに
「ひいいいいい」
と声にならない悲鳴を上げていた母であったのだけれど

私達の想像に反して、問題なくことは過ぎた。
というか、正直自分が緊張しすぎて、彼女の演技がうまくいったのかどうかすらわからん、というレベルだった。
でも、見てる感じ、最初お客さんが多すぎてちょっとびっくりしていた様子だったのだけど、そのうち、他の子の演技を見ているうちに集中していったみたいだった。
この辺が、もう全く自分の子供のころとは違うので、よくわからないけど、彼女の頭が切り替わった瞬間があったみたいだった。
それに反して、母は電気ショックを受けたハリネズミみたいに混乱してうろたえていたのだった。


で、先日も学校でクラスのダンスがあって、これも、なんか全く緊張のキの字も感じずに終わった様子だった。
その前の新体操の発表会に比べればやってることは簡単だったし、お客も少ないし、先生が前で踊って見せてたし、そういうのもあったと思う。こっちも、写真とったり、ビデオとったりする余裕が一応あった。


のだけれども


先々週くらいに新体操の先生が、娘にあたらしい振付の指導を始めたのは知っていたのだけど、それがまさか明日の発表会でおどらせるつもりだったとは、昨日初めて知った。

っていうか、まだ3回くらいしか練習してないのに!?

それも今度は8人団体じゃなくて、娘だけにやらせるつもりらしい。
8人の中で、7歳の2人にペアのダンスを踊らせるというのは知っていたけれども
うちの5歳児に1人で踊らせるつもりだと昨日聞かされた。
ここがいかにもチリなんだけど、日本だったらおそらくこの年で少し他の子より体が柔らかいくらいで特別扱いすることはあまりないと思う。
でも、8人の中で1人用の演技を教えてもらっているのは娘だけで、要は完全に特別扱いである。


私には聞かされていなかったので、まさか明日踊るとは夢にも思っていなかったのだけど、昨日練習に言ったら先生に呼ばれて
「明日うまくひとりで踊れたらプレミオをあげる」
と言われたのだそうだ。
先生に言われて何て答えたの?と聞いたら
「bueno (いいよ)」
って言ったらしい。
「いやああ!!なんであたしが?!!」とか、「えー!死ぬ!ママー!!」とかじゃないだけで、なんか凄いと思う。自分の娘とは思えない、貫禄すら感じる。。。


対外的な発表会じゃないから、失敗しても大丈夫なんだろうけど、それでもみんなが見てる前で1人で踊る??しかもたいして練習もしてないのに??

娘は少しは心配しているようだけれども、話している限りまんざらでもないようである。
「間違えたらどうしようかなー。止まっちゃったらどうしよう」
とは言っているものの、じゃあ練習しようというと、いや、もう大丈夫というからなんとも。。。


とにかく私にとっては新体操がどうのこうののレベルじゃないので、なんと答えていいのかわからない。

というわけで

これはもう娘の中のパパ細胞がビリビリと目覚めて、中から超人ハルクのような緑のヒムナスタが飛び出てくれることを祈るしかなく


ビビリの母親としては、ビビリの母のビビリ波動が娘に伝わって、無駄にビビらせてしまうことのないよう
声を潜めてそっとビビっていることくらいしかできないのであった





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