05 September ともだちづくり 今年学校を変えてから、かれこれ2学期も終わりに近づき周りの子供達の様子もだいぶわかってきたと思っていたころ娘が突然、「学校に友達がいない、前の学校に戻りたい」と言い出した。かれこれ前の学校にも同じような時期があり、「友達がいない」と言ったり、「~が親友」と言ったり、でも結局いつも3歳や4歳という年の割には、周りから見ても珍しいくらい濃厚な友情を数々の親友たちと育んできた人だったので、まあ、いつものあれが始まった、と思っていたのだけれどもなんかよく見ていると、若干いままでとは何か感じが違うなと思われてきた。というのは、2学期も終わりになると、周りの大人たちが知り合いになり始め、徐々にお友達の家にお呼ばれしあうようになっていたのである。学校の中ではみんなで仲良く遊んでいて、遊びのリーダー格だと先生には言われていたものの、彼女の言う所の親友とはつまり、家に行き来するくらいの本当に仲の良い友達のことで、自分は誰の家にもよばれない=親友がいない と考えたらしかった。 今度の学校は時間も短ければタジェールも少ないので、学校の時間は大体先生がクラスをコントロールしていて、休み時間だけが友達同士の時間なのだけれども、その時間も15分とかなので、学校の中だけで強い友人関係を作るほど、子供達はまだ打ち解けられていないようだった。ついでに言うと、学校の中に友達がいないのは娘だけではなくて、私の方も若干腰が引けた状態だった。というのも今度の学校はいわゆる、結構いい学校で、大学教授や医者の親がやたら多い。下手すると両親共に医者とか博士とか。パパが建築家でママがシコロガとか、そんなプロフィールの人達ばかり。男親はともかくとして、女親がバリバリの人ばかりなのだ。(ちなみに前の学校は芸術家が多いヒッピー系だった)ところでどこの言語でもそうだと思うけど、階層や社会グループが違うと、スペイン語というのは全く違うらしく。ただでさえスペイン語が分かってないのに、ここにきて、このバリバリ層のスペイン語というのは一層なに言ってるか分からない。トーンやつかってる単語が前の学校の親たちとは全然違うのだ。前の親の時も最初は何言ってるか全然わからなかったのだけど。。。まあそれでなんとなく腰が引けていて、最初の親だけの親睦会の日も、顔を出さなかったのだった。でも、この最初の親睦会から仲良くなった親同士の子はお呼ばれしたり預けられたりするようになったので、一層親が引き気味の娘は誰にも呼ばれなのかったのじゃないかと思う。そんなわけで、彼女の「友達がいない」にはもしかすると私のせいもあるのかも、と少し思い始めた。そんなわけで、つい先日あったママだけの懇親会(つまり飲み会)には、清水の舞台から飛び降りるつもりで向かったわけなんだけど、夜の9時からはじまって夜中の2時半まで続いたわけなんだけど(そして私達が帰ってきてもほとんどまだいた)結論から言うと、行ってよかったというか、よく頑張った自分!という感じで、それ以降、他のママの私達を見る目が暖かくなった。と思う。実際この間の飲み会以来、帰り道が一緒のアメリカ人のお母さんに、家に寄って行かない?と誘われ、3時間ばかしコーヒー飲みながら色々話してきた。その間子供達もすっかり打ち解け、親友になりえる子第一号としてエントリーされたのだった。それから別の日には、別の帰り道が一緒の方のブラジル人のお母さんに車に乗せてもらって家まで送ってもらった。彼女もずいぶん最初は冷たい人だと思っていたのだけど、ただちょっと印象が暗いというだけで、根はすごいいい人らしく、今度子供を遊ばせつつおしゃべりしようということになった。それから今日は別のチリ人の子のうちに遊びに行き、結局4時間ばかりまた遊んできた。なんだかんだ感じたのは、みんな我が子に友達がいない、ことを心配していて、ママ同士も言葉は通じているものの、階層がちがったり、職業がどうのとか、そういう居心地の悪さみたいなものをうっすら感じていて(もしかしたらないのかもしれないけど、社会的に感じさせられる)結構みんな冷たいとか、誘ってもらえない、とか、どこの子が意地悪だ、とか、やりづらいと感じてる人も多いみたいだった。なので、そういうことがママ同士がわかりあって親同士に張り巡らされた結界が取り除かれて、大人同士が信頼し合える環境さえ作れれば、子供達はきっと友達になれるだろうとまあそんな風に思った今週、とにもかくにも、ママは大忙しだったのだったのだけれどもパパにはどうせ、今日もご飯も作らずに遊んでる、と思われたに違いないのだった。 [8回]PR